Accademica 講師からの一言

【体験談・推薦文】 更新しました。

本稿をご覧下さっている皆さん、お久しぶりです。 鹿児島は、昼間はまだまだ蒸し暑いとはいえ、朝晩はだいぶしのぎよい気候になり、空を見上げるにつけても、虫の音を耳にするにつけても、秋の気配を間近に感じずにはいられない時節となりました。 受験生の皆さんはいよいよこれからが目標に届くか否かの勝負がかかってくる時期ですし、下級生の皆さんも九月以降は学習内容がこれまで以上に質的にも量的にも厳しくなってくる時期になります。 皆さんの学習の進捗状況はいかがでしょうか?

さて、今回、多忙にかまけてなかなかできていなかった「講師からの一言」の更新をなぜしようと思ったかと申しますと、実は今年、早稲田大学国際教養学部に公立高校から現役合格を果たしたK君が合格体験記を寄稿してくれたのがそのきっかけなのです。  (※K君からの合格体験記はこちら → 【体験談・推薦文】)

『私学の雄』早稲田大は全国的に人気があるため、難易度が高く、残念ながら鹿児島県からはあまり現役合格者は出ていないのが実情です。 それにもかかわらずK君は現役合格を果たしたわけですから、彼の学習には難関大学への現役合格につながる何かがあったはずです。 それを私なりに皆さんにお伝えすることには意味があるのではないかと考えたのです。 まず、最初にお断りしておきますが、K君は最初から早稲田大に余裕をもって受かる実力を持っていたわけではありません。 それはK君自身が体験記の中で書いているのでご覧になってください。 私の見る限りは、当初は確固とした方向性を持たずに闇雲に問題を解いていて、試験によってはあまり取れていないことも多々ありました。 では、そんなK君がなぜ早稲田大に現役合格できたのでしょうか?それには大きく分けて二つの理由があると思います。

?@ 目標をかなり早い段階から絞り込んで、それに向けた学習を進めていた。
K君は語学としてではなく、ツールとしての英語を生かした仕事に就きたいという希望を持っていましたので、学部は外国語系ではなく、国際教養系に早いうちから絞り込んでいました。 そうすると国公立では国際教養大、私立では早稲田大やICU、明治大、立教大、同志社大、立命館大などが視野に入ってきます。 受験戦略上、違ったタイプの出題をする大学を併願することは得策ではないことと、国際教養大が秋田という遠方にあること、国際教養大を急成長させた学長の逝去という偶然も相俟って、国際教養大は候補から外しました。 つまり私立型の英国社に対応する学習を主眼とする方向性が高3の初めには定まっていたわけです (もちろんそれまでに私はどちらに転んでもいいように基礎力を付ける下準備をしておきましたけれども)。 これは実は極めて大きなadvantageになります。 なぜなら、力の分散を避けることができたからです。 受験上、陥りがちな誤りは、『全部やって、結果的に全部中途半端にしかできない』ということです。 これだと形式、配点、難易度が多岐にわたる現実の入試では難関国公立はおろか、難関私立も全敗してしまうパターンに陥ることが稀ではないのです。 K君はその愚を犯さないで目標に向かって一直線に進むことができたわけです。 それがセンター試験自己最高得点(英国社93%over!)でセンター出願入試全勝、個別入試でも全勝という結果を呼び込んだと思います。

?A 基礎理論を重視し、同じようなことを何度も反復学習して、答えという結論の暗記ではなくその導き方を体得させる指導に徹した。
もう一つ重要なことは、結論の暗記ではなく、どうやって答えを導くかという過程に、そしてその前提として、現代文なら解法の理論に、英語や古典なら文法や構文に指導の力点を置いたことです。 要は、解答そのものよりも、どうやって解答を導くか、の着眼点を磨くために必要なことをいやになるほど反復しました。 例えば、よく「現代文は何をすればいいのかわからない」と言われます。 しかし、評論にしろ、小説にしろ、これに着眼すれば解答にたどり着ける、というキモは必ずあります! (そうでなければ私だって教えられません…) それを自力で探せるようになることこそが現代文の学習なのです。 K君は学校で全く教わらない私の方法論に戸惑い、最初のうちはきっと辛かったろうと思います。 でも彼は苦悶の中でその効果を実感し、それをやり遂げたからこそ、栄冠をつかむことができたのです。 実際、私は受験直前にはK君は私立型の問題ならほとんどの大学で頭一つ以上抜けた答案が書けるはずだと確信しておりました。

以上が、K君が現役合格を果たせた主な理由だと考えております。 そしてもう一つ、彼の合格に寄与したものがあるとすれば、… それは卒業生、つまり卒業してからも私に連絡をくれる教え子たちの声です。 現役の高校生にとって、特に、情報化された都市部に住んでいるわけでもない鹿児島の受験生にとって、実際の全国レベルの大学受験を実感するのはなかなか困難なようです。 しかし、現実に難関大に合格した彼らの経験を私が指導の中で伝えることによって、K君は現実の入試のレベルを知ることができ、そしてそれに対応する策を打つことができた面が極めて大きいのではないかと考えます。 また、卒業生が実際に大学でどんな学問を究めているのかを伝えることも合格へのmotivationを高めることに繋がるに違いありません。

そんな卒業生たちの学恩に感謝しながら、今日も指導ができる幸せをかみしめている次第です。 本稿をご覧になっている皆さんもK君の成功を一つのよりどころとしてご自分の成功に繋げていただけたら、と思っております。

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